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意地悪ハニー

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「好きなのだ清麿」

その体を寄せ、首筋に口付ける。
白いその肌についた赤い後が、確かに自分を興奮させた。

「ん……」

ゆっくりと首筋から肩へ顔を落として、鎖骨へ舌を這わせると、かすかな反応が返ってきた。

「ガッ…シュ」

切なげに名前を呼ばれ、胸が高鳴る。
これほど興奮するのは、清麿といる時だけだった。
名前を呼ぶ声が心地いい。
いつもはまともに名前さえ呼んでくれないのに、この時だけは、清麿は自分の名前だけを口にしてくれた。

「清麿…好きだ……大好きなのだ…」

「うん…」

掠れた言葉に優しい肯定が返ってくる。答えてくれることが何よりも嬉しかった。



けれど




「んっ……もう、ガッシュ…やめろ」


ほら、また


「どうしてなのだ?」

少し熱に浮かされながら問うと、清麿は眉を寄せた。

「どうしてって……これ以上続けたら……お前止まらないし…」

いつもの顛末を思ってか、清麿は少し頬を赤らめた。
可愛いとは思えたが、生憎今はそれに流される訳にはいかない。

「良いではないか。清麿も嫌いではなかろう?」

それは本当の事だ。
清麿はなんだかんだ言っても、最後には必ず悦んでくれる。
「だからっ…そう言う問題じゃなくて!明日も早いだろ!!」
なんだ、そういう事か。
辟易して、清麿に不満げな顔を披露した。

「それがなんなのだ。それ位どうってことないのだ」

そう言って
次に返ってきたのは



「ガぁ~ッシュ!!?」




恐ろしい般若の顔…



「テメェ前もそう言って遅刻したよなぁ!?何度も何度も!!その度俺がどんなに恥ずかしかったか…」

ゴゴゴ…と重苦しい効果を背負い、清麿は睨んでくる。
…もうこうなると、手が出せない。

「べ、別に良いであろう!?私は王だし、それに清麿だってさっきは…」

慌ててそう反論したら、清麿は赤くなった。

「だ…だからっそれは流されただけだっ!!」
「だったら流され続けて欲しいのだ!!」


それが、なぜか逆鱗に触れたらしい…
気づくと清麿は世にも恐ろしい顔をしていた…



「もういい!!そう言うなら、もうヤらないからな!!」



「っ!!!!!!
き…清麿…!!」


そんな殺生な


「清麿!!すまぬ、これからは早起きするから、それは…それだけはぁ~!!」





ああ、どうして自分の恋人は意地悪な性格なんだろう








(2006/05/19)
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