サイトでの小話の収納場所です。企画と平行してUPしていきます。
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『今日は何した?』
それが、一番最初に書いてあるお約束の言葉。
『学校行った後、ガッシュの訓練に付き合って、いま風呂入って来た』
いつも清麿の文面は単調で、正直可愛げが無い。
「そ、そうか…じゃあ明日は何をするんだい?」
こっちは少しでも清麿との話を続けたくて、なんとか話を繋いだ。勿論、面白いように顔文字や絵記号をたくさん使って。
で、帰って来たのは
『また学校。多分明日は雨だし訓練も出来ないだろうから、家で勉強してる』
また素っ気ない、感情の見えない返信。
思わず溜息を吐いて、ソファーの背もたれに顔を埋めた。
(…やっぱり会いたいなぁ……)
とは思うけど、当然会えないのは解っていて。…大体、ここは今日本から遠すぎるし、お互いに今いる地を離れられない。
だからメールで連絡取って、この気持ちを治めているのに。
「そうかぁ…私も当分はミラノの仕事なんだ……
学校かぁ、じゃあ明日も早起きしなきゃね。
お休み。」
がっかりしながらそう打って、携帯電話を閉じた。
何だか悲しくなってきてしまったからだ。
メールでもいいから、愛しい人を感じたかった。
でも、こんな小さな機械に代弁させた機械の文字の短い手紙なんかじゃ、ちっとも満たされない。
打てば打つたび恋しくなって。
打つたびにこの距離がもどかしくなって……
「……え?」
軽快な音楽がふっと耳元で聞こえて、急いで顔をあげた。
そこには、メールが来たことを知らせる光の点滅。
急いで確認すると、そこには
『いつか、あいたいな』
―可愛げもない平仮名だけの文字。
だけど、きっとこれは清麿なりの精一杯の…
慌てて、返信した
「私も会いたいよ、会って、清麿を抱きしめたい」
『……バカ』
どうしてか、今はその一言だけで、清麿がどんな表情をしているか解って。
「ああ。私は清麿の事にはバカになるからねv」
そう打って、返事を待つ。
意外と早く、清麿は答えてくれた。
『…お前恥ずかしい。…もう寝る。』
もう終わりか
そう思った時、まだ続きがある事に気づいた。画面をスクロールさせると
『……ありがとう
…お休みなさい』
メールじゃ満たされない。
それは間違いだったようだ。
そう思うと、ふっと笑って、そのメールにキスをした。
(2006/05/20)
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